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「 銭 」 (ぜに) [コミック]

「月刊コッミックビーム」 をご存知だろうか?

同じコミック月刊誌でも、女性向けであればそこそこの売り上げをほこる有名月刊誌
があるよーなのですが、ナゼか、男性向けとなると、あまりパっとしないんですよ?

週刊少年ジャンプ となれば今や知らないヒトなんていないくらいでしょうに、これ
が月刊ジャンプとなると、・・・かな~りマイナー

男性・女性の違いなんでしょかね? ・・・ってなハナシは専門家さんにお任せする
こととしまして、月刊コミック誌とゆーのはたとえば、雑誌の売り上げだけで利益が
出るほどの需要が無いんですよ、とゆーオハナシ。

そんな月刊コミック誌の中でも、とくにマイナーな雑誌が「月刊コッミックビーム」
なのであります。 ・・・おっと、「砂ぼうず」 「エマ」 といった作品なんかしっか
りとアニメ化されてますし、「恋の門」 は実写映画になってるんですよ? 念のため。

けどもいかんせん、マイナーなんであります。 かなしーかな。

まあ、敷居が高い ですよね。 週刊誌なら、いっしゅうかんたてば続きが読めますもん。
途中からでも「話題になってるみたいだし、じゃ、ちょっと読んでみよかな?」なんて
カンジで、けっこう気軽に入っていける。

ところが「月いち」連載となれば、次回は ・・・来月。

敷居はじゃんじゃんとたか~~くなってしまうワケであります。
・・・女性の方が辛抱強い・記憶力が良いってコト?(笑)

かくゆー僕も過去3回くらいしか購入してないです「月刊コッミックビーム」。

ナゼに今回、そんなマイナー誌を熱く語るのかといーますと、とてつもなく良い作品が
連載されているからなんです。 すごく面白い。 のに、載ってる雑誌がマイナーゆえ
この作品までかなしーかなとってもマイナー。

・・・居ても立ってもおれないんであります。 くやしーんであります。
もったいないんであります。

その昔。
ものの本で見知った逸話がありまして、コレがこーゆー衝動に拍車をかけてるんで
ございます。

< 出先でメガネのフレームが歪んでしまい、途方にくれる作者。
  
 背に腹はかえられず、たまたま見つけたちいさなメガネ屋さんに飛び込む。
  無償でテキパキと修理してくれる店員さんに気を良くし、予備のメガネを購入
  
 しようとアレコレ物色してみる。

  そこへ「コレなんかどうですか?」と笑顔でネガネを差し出す女性店員さん。

  見れば、「自分じゃまず絶対選ばない」まるメガネ。
  いぶかしつつも、鏡を覗き込んで感動。

  「似合ってるやん!」

  こーして、作者はソク購入。 勧めてもらわなければ一生関係なかったであろー
  まるメガネと出会い、その後、愛用することとなったのであった。>

ニンゲンなんてもんは、これで案外、冒険を嫌う保守的なイキモノであります。
・・・たとえば服ひとつとっても。
自分で選んでいますとゆーと、似たよーなモノばかりたまってしまう(笑)

冒険より安定を望んでしまう性格ゆえにもしかしたら、より自分に似合ってるモノや
もっと楽しくしてくれるモノなんかを、ムザムザ見落としているかもしれません。
そんな時こそ、店員さんの「コレなんかどうですか?」が必要なんであります。

「オススメ」ですね。

「ワンピース」や「のだめカンタービレ」といった有名ドコは、わっざわざこの僕が
紹介なんかせずとも、もー、アホかい!ってなくらい売れてます。
良作、なのに不当にマイナー。 そんな作品こそ、みなさんに紹介したいんでありま
すとも。

んで、今回紹介する作品はそんな作品なんです。

「 銭(ぜに)」  月刊コミックビーム連載中 5巻

作者 鈴木みそ 氏は体当たりで取材を決行。 その取材を自分主役でマンガにするとゆー
「ルポマンガ」をずーーっと続けておられました。
週刊ファミ通、そして月刊コミックビームにて 「あんたっちゃぶる」 「おとなのしくみ」
「オールナイトライブ」 とゆー作品を描かれております。
・・・コレがほとんど絶版。 かなしー。 面白くてタメになる、そーゆー作品なのに。

ルポライターとしての目のつけどころ、切り込みかた、発想がひっじょーに個性的で
普通ならあまり気にしないよーなモノに食い付き、調べ、訊き、意外な真相と結果を
みちびき出してくれるカタなんであります。

ゲーム業界・印刷業界・ホビー業界・シモネタ関係、教育・医療、じつにさまざまな
ジャンルにわたって、時には業界をおさわがせしちゃって雑誌掲載ができなくなっちゃ
ったりしながら(笑)時にオトシながら(苦笑)自分を道化役 兼 進行役にして展開
するルポマンガばかり描いていらしたワケですが。

従来の「取材して描く」とゆー基本は守りつつ、初めてストーリーものに挑戦したのが
本作「銭」なんであります。

主役は3人。

お金そのもの、お金の流れに興味を持ち、死後もその探求を続けるおねいさん ジェニー
おそらくはにっぽんじんなんだケド、お金 = 銭 = ぜに = ぜにー でジェニーを自称。
死後ちょいと時間がたっている美人幽霊。

交通事故でおそらくは植物状態となってしまった男の子の生霊、チョキン
手術の際にできてしまった頭部のキズが、貯金箱のお金投入口に似ていたため、ジェニー
が命名。 死んじゃうのか生き返ることができるのか不明のまま、ジェニーといっしょに
旅をする。 ・・・たぶん、中坊。

家をかえりみない父親のおかげで一家離散しちゃったうえ、本人も自殺未遂。
おそらくはチョキンと同じ状態の、バクチ上等! ケンカ娘、マンビ
生前、父の興味をひきたい一心で万引きを繰り返していたためそー命名される。
銭の流れを解明したいジェニー、そんなジェニーの手伝いをしたいチョキンと出会い、
いっしょに旅することとなる。 めおとどつき漫才、チョキンのアイカタ(笑)
・・・たぶん、高校生。

ほんものの幽霊さんと、生霊ふたり。 三人の銭をめぐる珍道中。
こー書くと、オカルト? とか、哀しいおはなし? とか思われそーだが、とんでもない。
これまでライフワークのように続けてこられたルポマンガの、主役を自身から3人に譲っ
ただけなのだ。

幽霊が演じる「はたらくおじさん」 ってゆーと、わかるヒトにしかわかんないか?(笑)
 ♪はったらっく おっじさん はったらっく おっじさん こっんにっちっわ~
・・・わかんないヒトはググること。 アナタは若い(笑)

主役を幽霊にしたおかげでルポマンガの自由度がさらに拡大。 いろんなトコに行ける。
行く先々にはその業界で戦っている生きてるヒト、そしてその業界のにおけるプロな幽霊
さんがおり、ヒトと幽霊と接することで業界のしくみ・銭の流れが解明されていく。 

・・・だけじゃなく。
その現場ごとに用意された人間ドラマ、物語が展開していくのである。

物語をおりこんだゆえに、現場の生々しい声がルポマンガに入り、よりリアルに響く。
物語も良く、情に訴えかけるモノが多くてまいかい毎回きまって泣かされてしまう(苦笑)
・・・なんかね、もともと感動屋の僕ですが、30まわってからとゆーもの、すぐ泣く。
もー泣く。 なんとかして欲しい。

時に霊感の強い生きてるヒトとタッグを組み、業界で戦うヒトを助けてあげたり、業界
に巣くうワルを懲らしめてみたり、傍観したり。 
読者を物語で引き込みながら、かつ、一般人では知りえない業界のしくみ・ウラ事情を
紹介していく。

ムダ知識といえばそーなのだけれど、実生活で役に立つのか? と言われれば、まず
役に立つコトなんか無いんだろーけど、びみょーに興味がわいてしまう業界がターゲット
となるんです。 たとえば・・・。

 ・アニメーション製作の現場
    
 ・ブリーディングの現場

 ・コンビニの裏側

 ・倒産のしくみ ・・・などなど。

内容を詳しく暴露しちゃうと、それじゃまるで、ハマムラ ジュンなんで(笑)
これ以上は語りませんが、いかがでしょ? ・・・ちょいと興味がわいてきませんか?

そこは漫画ですので、「絵の好み」とゆー壁 がございます。
これがハズレてしまうと、素直に楽しめないってのも事実。 
あまりクセの無い絵なんで、だいたいのヒトが許容できるんじゃないかな?と思って
るんですが。

もし、「よし、じゃー、読んでみようか?」なんて思ってくれるヒトがいらっしゃれば
そのカタは幸運です。 そこは月刊誌ですから、1年に一冊出るかどーかな単行本が
もう5冊も売っています。 ついこのあいだに最新刊、5巻が出たばかりなので、一冊
ずつ待たされながら買って来た僕からすれば、ウラヤマシイ限りです。
・・・いいなー? 銭を続けて5冊も読めるのかー!

ただし。
くどいよーですが、そこはかなしーマイナー誌。 かなりおっきめの本屋さんじゃないと
おそらくは売ってません(苦笑) ちょいと大きい本屋さんでお探しください。

エンターブレイン社 鈴木 みそ 「 銭 」

・・・なかなか見つからないと思いますケド(笑)

コミック 銭 2巻

コミック 銭 2巻

  • 作者: 鈴木 みそ
  • 出版社/メーカー: エンターブレイン
  • 発売日: 2004/07/24
  • メディア: コミック

タグ:鈴木みそ
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のぶ

じっさいにメガネ屋さんでやってみました。

「僕に似合うメガネください!」
自分じゃぜったい選ばない小さめのメガネにタジロギつつ、
・・・覗いた鏡。 

「おおー! 似合ってる!」

もちは餅屋ですね。 プロのみたては流石です。
・・・えーっと、僕、マンガのみたてはプロじゃないデスが(笑)
by のぶ (2007-07-17 18:09) 

もく☆

こんばんは☆
のぶさんの記事はいつも大作でコメントをいっぱい
書きたくなっちゃいますねー。つっこみどころ満載!

少女の頃(わー懐かしぃ♪)
少女漫画の週刊も月刊も両方買ってましたねー。
月刊誌は付録が楽しみだったかも。
今思うとそれは「甘いワナ」だったのね。ははは。

保守的。わかります!似たようなデザイン、柄に
振り向いてしまう自分。
だから自分で絶対に選ばない物が入っている
福袋のひかれるのです♪

↑あ~あ!「銭」気になっちゃった!
某ブック○フにもあるかしら~。
by もく☆ (2007-07-17 22:32) 

おばど♪

>ニンゲンなんてもんは、これで案外、冒険を嫌う保守的なイキモノであります

ごもっとも~!!
服とかは自分で選ぶんじゃなくて、他人に選んで貰うほうが案外素敵だったりして~~。(^_-)-☆
新しいメガネとの出会い、新しい世界がまた開けたんじゃないかな?
素晴らしい~~!!  んで、どんなメガネだろう?ww
by おばど♪ (2007-07-18 16:23) 

のぶ

・・・じっさいんトコ、僕のムダ知識供給源であります(笑)
 
 ・プロのマンガ家がナゼ、同人誌を出しちゃうのか?
 ・コンビニ運営はいかにタイヘンなものか
 ・なぜに最近のアニメは、エンドロールに英語が並ぶのか?
 ・声優さんとゆー商売はどんだけタイヘンなのか?
 ・なぜペットはショップで買っちゃイケナイのか?
 
 ・・・などなど。
みなさんも、「銭」を読んで、ムダ知識の洪水を浴びちゃいましょう!

♪もく☆ さま
とーとー休刊に追い込まれましたから、月刊ジャンプ。
女性向け月刊コミック誌はヤリカタが上手なんでしょね。
???おなじ出版社が出してるノニ、なんで男女差がでるんだ???
・・・あ、やっぱり気になるなあ(笑)

「銭」はそこそこおっきい本屋さん。 そっすね?
おおきいコミックコーナーがあるとこじゃないと、まず見かけません。
ブックオ○じゃ、・・・つらい、カナ?(笑)

♪おばど さま
・・・ですよね(笑)
スキルの高い、経験豊富で「良心的な」店員さんならオマカセです。
「高いの売りつけちゃえ」な店員だと、サイアクですが(笑)
ちょいと・・・ギャンブルですねえ?(笑)
自分のコトをいよーく知ってくれてる友人がいちばんなんでしょね?

えと、流行りのレンズがちいさめなメガネです。
フレームが視界に入るとジャマだろなと、ずっと回避してたんです。
・・・いけてますよ、コレ!
by のぶ (2007-07-18 17:48) 

papa007_

鈴木みそ。ファミ通でみかけたことがあります。
にしても、のぶさん、どんどんどんどんレアな方向に走ってますねー(笑)
(でもそれなりに巻数も出てるようなので、これは「投げっぱなし」にはならないか)w
by papa007_ (2007-07-19 00:46) 

のぶ

・・・じゃあ、コレでどーだ!?

 ・赤字でまっかかな月刊コミック誌が、ドコで利益を出すのか?

ほ~ら? アナタも「銭」が読みたくなる?? ・・・のか??(笑)

♪papa007_ さま
ハイ。 根っからのマイナー系ですから ・・・って、ちが~~う!(笑)
こーゆー名作がですね? いつまでもマイナーに埋もれてるのが、
なんちゅーか、ガマンならんのです(笑)
papa007_ さま、どーか一読してやってくださいまし!
by のぶ (2007-07-19 07:45) 

あじゃあじゃ

月刊が売れていないという事実を知ったのは、最近なのです(^^;)子供の頃愛読していた月刊少年ジャンプも結果なくなってしまったし・・・のぶさんがここまで押すなら、私必ず読みます!(社交辞令じゃないよ。感想も届けるからね~)
by あじゃあじゃ (2007-07-19 20:11) 

のぶ

鈴木みそセンセが「銭」についていんたびゅう受けてますので
よろしければどーぞ! 豪華5ページ・顔写真付き!
テニスばかさんなので(笑) 意外とゴツイです。

http://media.excite.co.jp/book/interview/200310/

♪あじゃあじゃ どの
いつもどもです! ええ! 押しますともさ!(笑)
おおー! 読むゼ宣言! 感想文宣言! ・・・す・すごいウレシイ!
でわ、くどいよーですが「おっきめの書店」でお探しくださいまし。
おそらく「エマ」「砂ぼうず」「恋の門」、「天からトルテ」の近くに
あるハズです!(・・・どれももひとつメジャーじゃないなあ・・・)
by のぶ (2007-07-20 08:14) 

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